Fさんのケース②
両親は<ほどよくやせていて、健康的なかわいらしい女の子>を理想像としているのをFさんは感じ取っていた。
生理がはじまると母親は<あんたも、なまぐさくなるのね>と言い、やせていたときはFさんのバストに対して<女らしくない>といい、太ってきたころには<そんなに大きくなってみっともない>といった。
こういった母親の過干渉を受け続けていたFさんは大学でフェミニズムの思想と出会う。このころフェミニズムは「ブスのひがみ」とも言われ、ミスコンを廃止したいFさんにとって、自分がなかなか言い返すことのできない社会的なカラクリがあることを感じていた。しかし、Fさんは自身の体験について声を大にして主張していってもよいという考えにたどり着く。
ミスコンに反対する論拠を見出していく課程には、自分自身がこれまでに受けてきた容姿にもとづく不当な扱いを問題視していく過程でもあった。
このように、摂食障害から脱出するにあたって、自らの経験や感情を「女性の身体」をとりまく社会的文脈のなかで言語化していく必要があると著者は主張している。